副鼻腔炎とは
鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起きる病気です。副鼻腔は、おでこにある前頭洞、目の間の篩骨洞、目の奥の蝶形骨洞、頬の上顎洞があります。主に風邪をきっかけにして、細菌やウイルスがこの副鼻腔に感染して発症し、膿のように濃い鼻汁や、頭痛、頬や目の奥の痛みなどが現れます。細菌やウイルス以外では、真菌、むし歯、アレルギー性鼻炎などで起こることもあります。放置すると嗅覚障害が生じる場合があります。
急性の副鼻腔炎が治りきらず、慢性化したものは慢性副鼻腔炎と呼ばれます。一般的に蓄膿症と呼ばれている病気です。頑固な鼻づまりが続くなど、本来の症状ももちろんありますが、口呼吸によるさまざまな弊害も出てきます
副鼻腔炎の種類
急性副鼻腔炎
風邪を引いた時に、鼻詰まりがなかなか治らず、眼の奥や頬の痛みが起こってきたら副鼻腔炎の可能性があります。副鼻腔は目や脳に近いため、炎症が進むと視力低下や意識障害などにもつながりかねません。なかなか治らない鼻詰まりがあったら耳鼻咽喉科を受診してください。
慢性副鼻腔炎
副鼻腔炎の症状が数ヶ月続いたら、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)です。副鼻腔に膿がたまりやすく、慢性的に鼻が詰まります。
副鼻腔炎の症状
鼻水
副鼻腔炎の鼻水は粘度が高く黄色っぽい色をしていることが多くなっており、風邪のひきはじめやアレルギー性鼻炎の透明で水っぽい鼻水とは異なり、粘り気があります。また、黄色ではなく緑がかった鼻水が出るようでしたら、炎症が進んでいると考えられます。
鼻をかんでも奥に残っている感覚があり、鼻腔がふさがって慢性的な鼻詰まりの症状が続きます。
嗅覚障害
鼻が詰まることで匂いを感じにくくなるだけでなく、長期に渡る副鼻腔炎では匂いを感じる部分の粘膜や神経が障害を受け、副鼻腔炎の治療を受けても嗅覚が戻らないことがあります。早めに適切な治療を受けてください。また嗅覚障害では、味もわからなくなるケースがあり、嗅覚と味覚に障害が及ぶことを風味障害と呼びます。
後鼻漏(こうびろう)
粘度の高い鼻水が鼻の穴に向かって出てくるのではなく、喉の奥に流れて垂れていくのが「後鼻漏(こうびろう)」です。副鼻腔炎で多い症状であり、不快感だけでなく、声の出しにくさや鼻声、咳などが伴うケースもあります。
顔面痛
副鼻腔に膿がたまり、顔を圧迫することで起こります。鼻の周囲が痛い、頭が重い、眼の奥や頬が痛い、歯痛、頭痛などの症状が現れます。
鼻茸
鼻茸とは、鼻ポリープとも呼ばれ、鼻の中にぶよぶよした白い隆起物です。慢性副鼻腔炎の特徴的な症状の一つで、鼻茸が大きくなると、鼻づまりを
副鼻腔炎の検査
レントゲン
レントゲン撮影で、炎症が起きている場所や範囲、症状の進行度合いなどを確認します。治療後の状態を確認するために再度、レントゲン撮影を行う場合もあります。
内視鏡検査
とても細い医療用ファイバースコープである内視鏡で、副鼻腔の状態を直接観察する検査です。粘膜や鼻水、鼻ポリープの有無などを詳細に調べられます。
副鼻腔炎の治療
副鼻腔にたまった膿を排出して副鼻腔を洗浄する排膿洗浄や、薬物療法、抗生剤の入ったネブライザー(吸入器)などを使った処置を行います。ネブライザーはすみずみまで薬剤を届けることができます。
こうした治療で思うような効果が望めない場合、手術を検討します。痛みや出血を大幅に抑える内視鏡手術が主流になってきており、日帰りでも受けられます。術後の腫れが少なく、効果が高いことが特徴となっています。