鼻茸とは
鼻茸(はなたけ)は鼻腔内の粘膜にできるポリープで、キノコのような形をしていることからその名前がついています。鼻の奥にできるプヨプヨした塊で、大きなものは親指ほどあり、いくつもできる場合があります。副鼻腔の中でも、頬骨にある上顎洞や目と鼻の間の篩骨洞にできた炎症がポリープとなり、それが鼻の気道に出てきて空気の通り道をふさぎます。 鼻茸が鼻の後ろの方へ垂れ下がって両側が鼻閉塞になる後鼻孔鼻茸などもあります。息苦しい、口呼吸になってしまう、スポーツなどで結果を出せないなど、日常生活に支障が起こっている場合に手術をおすすめしています。
鼻茸の症状
ポリープが大きくなると、鼻詰まり、匂いがわからなくなる、副鼻腔炎が悪化しやすいなどの症状が現れます。
鼻茸ができる原因
主に慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)が原因となっており、アレルギー性鼻炎などの慢性的な鼻炎が関係している場合もあります。
鼻茸の治療
薬で完全には治らないため、治療には手術が必要となることがあります。かつては入院が必要でしたが、現在は局所麻酔で行う30分程度の簡単な内視鏡手術で、日帰りで受けることができます。お子さんの場合には、併発している副鼻腔炎の症状が重い場合などを除いて、手術はあまり選択されませんが、手術に恐怖感のないお子さんの場合、小学校低学年でも手術可能なことがあります。
鼻のポリープはがんとの因果関係はありませんが、ごくまれですが腫瘍の一部として鼻茸ができる可能性があるため、経過観察の際には組織を採取して生検を行います。
なお、鼻茸の切除は、原因である慢性副鼻腔炎などを治療するものではないため、手術後も治療が必要になります。慢性副鼻腔炎の手術と鼻茸切除を同時に受けることもできます。また、ポリープですので再度できることや、大きくなることもあり、再手術が必要になる場合もあります。
鼻茸切除の流れ
- 局所麻酔
麻酔薬を浸したガーゼを鼻の中に10分程入れておく前処置を行います。これでほとんど痛みなく手術を受けていただけます。なお、注射薬を追加する場合もあります。 - 手術
鼻茸を鼻手術用の器具で切除します。血管を傷つけないよう慎重に行っていきます。副鼻腔の骨が鼻茸の発生源となっている場合は、これを除去します。。 - 手術後の処置
鼻の中にガーゼを詰めますが、ガーゼで鼻が完全に詰まる場合もあります。ガーゼを取り去るのは術後2~3日ですので、それまで少し我慢してください。 - 手術後の注意
麻酔が切れると痛みが出る場合がありますので、その際にはお渡しした痛み止めを服用してください。大多数の方がそれで痛みがおさまっています。軽い鼻血が見られた場合には、清潔なティッシュか綿などを鼻に追加して詰め、軽く圧迫します。なお、出血が喉の方に流れるような感覚があったり、激しい痛みがある場合には、すぐにご連絡ください。